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 高速組合に「風評被害」
 大震災の復旧・復興支援で始まった高速道路の無料化制度のうち、トラックなどの中型車を対象にした措置が当初予定の8月末で終了したが、被災地への物資輸送などを通してトラックの貢献度が注目されたのも束の間、一転して「悪モノ」扱いになってしまった。

 ただ、連日の報道では「西日本方面から走って来たトラックのUターン行為」ばかりが注目されたが、関東地区に拠点を構える事業者も同様に、無料化対象のインターを出発点として九州方面へ向かうケースが少なくなかった。
 「それまで月間利用額が平均で150万円ほどだった運送会社が60万円に減ったり、利用明細に『ゼロ』が並ぶケースも目立った」と話すのは、東日本エリアをメーンに高速道路の利用事業を手掛ける異業種組合の関係者。「関西や九州方面の運送会社が無料化措置に便乗しているといわれたが、関東も事情は同じ。普通に出発する場所が 『無料インター』なわけだから、むしろ堂々と便乗できたのではないか」と話す。
 同関係者によれば現在、高速事業を手掛ける異業種組合が「風評被害」に困っているという。高速道路の利用手数料を大きな柱としているが、かねて1月と2月、5月、8月の利用額はグンと落ち込むのが通例。さらに、高速料金制度の変化で近年、ただでさえ収入が目減りしているところに無料化の裏テクを利用する組合員の車両が激増したことで、組合の先行きを不安視した組合員が「保証金の返還」を求める例が目立ってきたというのだ。
 「経営状態が悪化している組合が増えているのは確かで、そんな情報を耳にすれば保証金の返還を要求するのも当たり前。ただ、そのままETCカードは使い続けたいというのでは虫がよすぎる」。同関係者が所属する組合にも返還要求があったらしいが、「どうしてもというなら保証金は戻す。ただ、その代わりに『(そのカネを)定期預金にして銀行保証を入れてもらいたい』と説明している」と、とんだ風評被害の対応に苦慮している。

(11/09/23)



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