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 カンダHD 国際宅配便事業が滑り出し好調
 カンダホールディングスの国際宅配便事業が順調な滑り出しを見せている。価格で差別化を図り、「集荷日翌日発送超格安発送サービス」と銘打ったパンフレットを作成。10月から既存の顧客に配布し始めたところ、連日引き合いがきているという。

 勝又一俊社長は「パッケージ商品なので売りやすい。この事業で出た利益を国際物流事業拡大に向けた次の一手につぎ込んでいく」と意欲を示す。2011年度末には売上高30億円(24万件取り扱い)達成はほぼ確実と見られ、13年度末の目標50億円に向け「人員の強化とインフラ活用」に取り組む。

  カンダホールディングスは、ペガサスエクスプレスの100%子会社「ペガサスパーセルサービス」(PPS)の事業のうち、国際宅配便事業などを9月29日付で譲受した。売上高20億円規模の同事業は、カンダホールディングスが全額出資して設立した新会社「ペガサスグローバルエクスプレス」(PGE、祖山雄一社長、東京都千代田区)が譲受する予定だが、第2種利用運送事業の譲渡認可など来年2月ごろになる見込みで、現在はPPSがカンダグループの一員として事業を展開している。

 カンダグループとして事業を開始した10月に入り、「急いで作ったパンフレット」を既存顧客に配布。「国際宅配便を始めました」と呼び掛けたところ、連日引き合いが相次いでいる。PPSでも「国内物流、倉庫業務、流通加工などカンダグループとして引き受けます」と明記したパンフレットを新たに作成し、「コラボ営業」(勝又氏)を展開。相乗効果を上げている。

 国際宅配便の主力商品は「PEN」(ペガサス・エコノミー・ネクスト)で同業他社の商品に比べ「低価格」に設定。リードタイムが1日だけ長いものの、「集荷」以外に「仕分け」「書類作成」「梱包」といった付加サービスが料金に含まれるほか、他社では「25キロまで」とする販売重量に制限がないのも特長だ。

 既存顧客への営業はカンダの営業マンにPPSの社員が同行する「原則2人体制」で訪問。「商品の細かい内容説明では、やはりPPSの営業マンがいてくれたほうが助かるし、カンダの社員にとっては勉強になる」という。

 既存顧客1500社のうち9日現在で「まだ1割も回ってない」状況だが、「海外と接点のない顧客はほとんどいない。また大口貨物のように先方の窓口が物流や営業の担当ではなく、大部分が『総務』というのも新たな切り口としてアタックしたい」。

 今後、「人員の強化と新たに建設した北関東をはじめ大阪、名古屋など拠点の有効活用」を図り、事業拡大を目指す。国内宅配便市場は数社の寡占状態だが、国際宅配便市場は一見、国内大手が仕切っているように見えても、実は海外大手との提携がほとんど。成長分野であるにもかかわらず、日本国内大手の進出が遅れたためで新参者≠ノもチャンスが残っている。

 今回の国際宅配便事業への参入をきっかけに「海外の大手国際物流企業からアプローチがあった」と勝又氏。「一般国際貨物を対象とする首都圏での北関東物流センターの時間帯活用なども視野に新規事業の展開」を検討している。

(10/12/3)


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