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 岡田運輸 坪内さん ドラコン・内閣総理大臣賞
 「みんなが喜んでくれることが何よりうれしい」と語るのは、岡田運輸名古屋支店の坪内大樹さん。先月行われた全国トラック・ドライバーコンテストで11トン部門に出場し、見事に内閣総理大臣賞を受賞した。

 大手以外の同賞受賞は初めてということもあり、会社はもちろん、愛知県内も快挙に沸いている。 岡田運輸(岡田直樹社長、神奈川県川崎市)が全社を挙げてドラコンへの挑戦を開始したのは8年前。岡田社長が先頭に立ち、「ドラコンで内閣総理大臣賞を」と夢を掲げた。

 同社長は「本人の努力はもちろん、荷主、社員とその家族など周囲の協力によって夢が叶った。もともと安全第一を掲げてやってきた取り組みが、ドラコン挑戦への契機だった」と振り返る。

 荷主も積極的に理解を示し、練習場所として工場の構内を貸し出し、設備も設置してくれるなど協力。ディーラーもサポートしてくれた。

 社員は練習時、計測や誘導など常時30人が手伝ってくれた。坪内さんも猛特訓を積み、「みんなが応援してくれたから」と、感謝の気持ちを表す。

 ディーラーの練習会で知り合った、他の中小事業者の仲間たちとの輪も広がった。情報交換も行い、「中小企業でぜひ内閣総理大臣賞を」を合言葉に励まし合った。



 今年の全国大会は、岡田運輸の全営業所から合計4人が出場。大会中もみんなで声をかけ合ってきた。

 応援にかけつけた岡田社長は、「大会途中で、『もしや行けるのではないか』との雰囲気を感じた」と振り返る。大手の関係者から「優勝は岡田さんじゃないですか」と声をかけられた。坪内さん本人も「2位くらいかな」と密かに思ったという。

 優勝者の名前が告げられた瞬間、坪内さんは一瞬頭の中が真っ白に。少し間を置いて、歓喜が沸いてきた。他社の選手らもみんなが「中小の快挙」を喜んでくれた。

 挑戦から8年の歴史は着実に刻まれ、見事に結果を残した。同時に、同社では事故や違反も激減した。

 最初は同社の岩手・一関営業所所属の選手らが出場し、全国大会で3位、4位と上位入賞を果たしてきた。先輩が後輩を育成する磐石なシステムも築かれ、実技でも学科でも先輩の鬼教官が徹底指導にあたる。

 ホーム着けの練習は、ギリギリに止めるのではなく、具体的に「3cm」「20cm」の数字で止める練習を何度も繰り返した。学科は業務終了後、会社で勉強してから帰途についた。

 「みんなの力の結集」で夢が叶った岡田社長は、「これからも慢心することなく一からやっていきます」と抱負を語る。

 優勝した坪内さんは、「実はトラックの日の10月9日生まれです」と明かし、「家族の理解と応援がうれしかった。これから私も、会社の鬼教官を目指します」と笑った。                    (09/11/27)
<記事提供:物流ウィークリー


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