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寺尾社長
コーワン 「荷主への提案は対等な立場から」
 「運賃単価の引き下げを認めるわけにはいかないが、トータルコストの圧縮という面で(取引先に)協力することは必要だろう」と寺尾俊郎社長(コーワン、備前市)。「そのためには提案が欠かせないが、対等という認識がなければ難しい。川下が率先してコンプライアンスを徹底して、対応し切れていない川上の荷主にアピールすることも一つの戦略だと考えている」と続ける。

 かつて「片上港湾荷役」として耐火物原料の搬出入から倉庫管理、運搬など焼物の町・備前の地場産業を支えてきた同社だが、来年には創業50年を迎える。その間に着々と守備範囲を拡大し、現在は生産工程にもタッチする自動車部品メーカーとの取引ウエートも大きくなっており、総合物流企業としての地位を確立。また、自動車整備やリース、旅行業なども手掛ける。

 社員290人と派遣社員150人を抱える半面、営業車両は70台という側面からもわかるが、売り上げベースで輸送の占める割合は20%前後。一方、延べ6000坪を超す倉庫を保有しているが、いずれも「共同センター」として稼働させているのも特徴的だ。「単一な配送、または倉庫業務という時代は終わった」(同社長)と話すように、早い時期から倉庫を荷主企業の「共同基地」として位置付け、複数荷主に提供してきた。

 沿岸荷役からスタートしたこともあって、人材を駆使する業務には一日の長があるのは確か。グループ会社であるコーワン機器(同社長)が昨年に一般人材派遣業の許可を取得したのに続き、今年4月には本体でも同許可を取っている。さらにISO9001認証を昨年に取得、現在は同14001の取得準備を進めているという。これらは、いずれも「提案できる対等の立場」をアピールする基盤整備ともいえる。

 「いま最も苦しんでいるのは一般貨物の分野。『運送はタダ』と考える立場の会社がある以上は、実運送会社の思惑が容易に通るわけがない。かといって、トラックを止めるスト行為などは会社レベルで到底やれるものではない。組織ぐるみとなると、大義名分もあって『動かざるを得ない』ということになるが、そうしたムードが生まれるのは極めて難しいのが実情。トラック協会にも、専門家を交えて関連法令などを研究する専門部会のようなものが必要かもしれない」と指摘する。     
                         
(05/10/24)
<記事提供:物流ウィークリー


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