軽油価格、100円の影が見えてきた… | |
「うちは台数も多くないし、他社と比べて割高なのは仕方ない」と話しながら、広島県の運送社長は帳面を見せてくれた。「リッター93円」と書かれた横には、小さな文字で「3円」と記されている。今月に入って要請があった新たな値上げ分だという。 一方、自家スタンドや協同組合による共同購入でも現在、同85円を切る例は少なくなった。市中SSでカード給油した場合との価格差も従来に比べて狭まっており、多大な設備投資に見合うメリットが薄れている感も否めないのが実情だ。 8月に3円、そして今月も3円前後の値上げ要請が届く。運賃低迷が続くなかで、わずか1年半で同25円ほどの値上がりになった。売り上げに占める燃料代が日ごとに増えており、トラック運送業界が悲鳴を上げている。しかし、一般紙などは運送業界団体のアンケートを取り上げながら「これから取り組む予定も含め、およそ60%の運送会社が運賃交渉に動いている」と報じる。 「そんなに簡単なもんじゃない。運賃アンケートもそうだが、業界団体のデータにも問題がある。先日も、全国対象の燃料価格調査を載せた業界団体のホームページを見たら、実態とは5円ほどの開きがある。タイムラグは仕方がないが、荷主に話す際の説得力に欠けてしまう」と岡山県の社長。 中国地方では8月末時点で、インタンクが同86円前後、スタンド買いで同89円前後が目立ったが、9月には3円ほどの値上げも必至で、さらに価格は跳ね上がる。かつて「岡山が安く、広島は高い」などといわれた地域差も消えた思いがある。前出の広島の社長が特例ではなく、すでに同100円の影が迫っているケースが増え始めているのが気掛かりだ。 (05/09/12) <記事提供:物流ウィークリー> |
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