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吉冨晋吾主査
 山口県 渋滞のない、快適な道路網 
 山口県は、本州と九州、そして山陽と山陰の結節点。交通の要衝として、古くから栄えてきた。国交省が行う「道路利用者満足度調査」では、全都道府県の中で、平成15─17年の3年連続で一位をマーク。渋滞のない、快適な道路環境が、同県のアピールポイントとなっている。

 コンビナートを中心に、工業県として知られる同県だが、活況を呈しているのが自動車産業だ。同県商工労働部企業立地推進室の吉冨晋吾主査は、「自動車というと『北部九州』のイメージが強いが、山口・広島もエリアに含めると、生産能力は倍になる」と説明。マツダ防府工場を中心に、周辺には関連のメーカーも集積している。

 同主査は、「九州の地場調達率がなかなか上がらず、各社が工夫を凝らしている」という現状を踏まえた上で、「広島と九州の真ん中にある山口をうまく活用していただければ、JIT物流を実現できる」とアピールする。なお、企業によっては、九州との距離感を心配することもあるが、「確かに、関門海峡という物理的な断絶はあるが、文化・経済面での結びつきが昔から強い」とし、「輸送の面でも道路網が充実し、ストレスがかかるようなことはない」と話す。

 同県では、立地環境や道路状況の良さを生かし、物流企業の誘致に力を入れている。「テクノポート周東」(岩国市)は同県東部に位置し、山陽自動車道・玖珂ICから約1.2キロメートル。県央部には団地が集積しており、「山口物流産業団地」(山口市)は国道190号に隣接し、国道2号へのアクセスも可能。「小郡インター流通団地」(同)は、中国自動車道・小郡IC至近にある。また、「ユニクロ」のファーストリテイリングも進出している「山口テクノ第2団地」(同)は、1平方メートル1万2200円からと、比較的安価での分譲となっている。

 なお、同県柳井港と愛媛県松山港はフェリーを使えば約2時間半でアクセス可能なことから、「広島や九州だけでなく、四国を視野に入れることも十分可能」だという。また、県内では、山陰と山陽を結ぶ「小郡・萩道路」の建設も進められており、輸送面のさらなる利便性向上が期待されている。さらに、地震が少ないことから、「安定した事業の継続に適した土地」というメリットもある。

 5月に行われた「NEW環境展2007」でも企業誘致活動をアピールした同県。「吉田松陰を生んだ県として、『立志』をキーワードに企業を応援している。ぜひ、志を持った企業に進出していただければ」と話す。具体的な支援策としての優遇策なども、今後さらに力を入れていく。
                    (07/06/08)
<記事提供:物流ウィークリー


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