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開始まで秒読み 行政処分強化
 事業停止を踏まえた極めて深刻な行政処分の強化が開始されるまで秒読みとなったが、最長措置の「7日間」が適用されるには悪質違反の下命・容認の有無が大きな決め手となる。酒気帯びドライバーの管理を企業(運行管理者)がどのようにして、どこまで徹底すれば「容認」ではなくなるのかさえ見えないまま、いよいよ処分の厳格化がスタートすることを不安視する関係者は少なくない。

 「過労や無免許運転、速度オーバーは会社の管理責任が問われて当然だが、アルコールの問題は次元が違う」と岡山市内の運送社長。このところ高速道路でスピード・リミッターを解除している疑いのある大型トラックが増えているのは確かで、「それを集中して取り締まろうとする警察当局の動きもあると聞く」と説明しながら、「リミッターの解除行為などは会社として言い逃れできない問題で、容認・黙認など企業としての姿勢を問われても仕方ない」と続ける。

 一方、兵庫県内での一連の「酒気帯び容認事件」で名前の挙がった運送会社に同情を寄せながら、「あすは我が身と感じた会社(運行管理者)は多いはず。こうすれば事業者(運行管理者)ぐるみによる酒気帯び運転の容認とされることはない、というような明確な対処法が示されないままでは、検挙した警察当局のサジ加減一つで処分内容に差が生じるのではないか…そんな考えも拭えない」と、福山市の社長も不安そうだ。

 一方、広島県の運送会社のドライバーが過日、「県外で(業務中に)クモ膜下出血で倒れたものの、過労状態があったことを認めないのなら労災は適用されない」という惨事に遭遇したらしい。過重労働はなかった旨をドライバーは告げていたという。因果関係が問われる側面からすれば、通常業務の範囲では考えられない重大疾病なのかもしれないが、「過労状態にあったことを認めれば(会社は)処分される。労災適用を求めるなら処分を受けろ、そういわれているみたいだ」と関係者の1人。

 来月からの行政処分強化では前出の酒気帯び運転に加え、過労運転などの容認も「7日間」の対象となる。「ドライバーが労災適用を受けたいと希望するなら、会社が過労を強いていた事実と、それによる事業停止を受け入れなさいといわれているみたいだ」と同業社長。そのうえで「会社側とすれば処分を逃れるために意地でも過労を認めないだろうし、ややこしくなりそうだ」と手をこまねいている。
                         
(06/07/14)
<記事提供:物流ウィークリー


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