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 増える事業者数 「参入ハードル低い」の指摘も
 運送事業者数が6万3000社を超えた。内容を見ると、保有台数が10台以下の運送事業者が3万6679社(58.1%)を占めており、資本金1000万円以下の事業者数が64.7%となっている。新規参入事業者は平成19年まで増え続けていたが、同20年に事業者数が減少に転じた。しかし、今回の6万3083社は同19年の6万3122社には届かないものの過去最多に迫っている。なぜ、運送事業者は増えるのか。

  一般的に「景気が悪い」とされている運送業界だが、新規参入が後を絶たない。本当に利益を出せているのだろうか。

 全ト協の「トラック輸送産業の現状と課題」によると、業界全体の1社当たりの営業収益は平成19年が2億696万円、同20年が2億200万円、同21年が1億9506万円と減少。営業利益も同19年が▲85万7000円、同20年▲269万7000円、同21年▲87万円とマイナスが続いている。この状況は事業者の規模が小さくなればなるほどひどくなっており、同19年で(平均値として)黒字になっているのは保有台数21台以上の事業者、同20年では101台以上の事業者、同21年では51台以上100台未満の事業者のみ。

 黒字企業(営業利益)の割合を全体で見ると、同19年で44%、同20年で38%、同21年で48%しかない。しかも、10台未満の保有台数の事業者では、同19年で34%、同20年33%、同21年38%となる。

 それでも、なぜ運送事業者が増えるのか。中堅事業者の一人は「参入へのハードルが低すぎる」と指摘。「簡単に入れるもんだから、何も考えずに参入する。安い運賃で業界をかき回すだけかき回して、さっさと出て行く。規制強化とは言わないが、ある程度の調整が必要ではないか。参入させても教育できる場が整っていないというのも問題だろう」とも語る。

(13/01/18)



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