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輸送中の汚損に「理不尽」 責任の所在追及できず

 「輸送中の汚損」とされた商品事故に、幹線輸送を担当する運送会社は理不尽を感じている。とはいえ、責任の所在を真に追及すれば仕事として成り立たないというジレンマもある。


 荷主に当たる大手運送会社から「汚損」したとされたのは鉢花。水漏れしたため、鉢花を梱包していた段ボールはもちろん、トラック荷台に混載された他の荷物の段ボールにも水が回ってしまった。


 梱包段ボールの破損・汚損だけでも商品事故扱いされる世間相場どおり、水の回った商品すべてが事故扱いになった。積み荷保険で対応できるため直接に弁償することはなかったものの、輸送した運送会社は気持ちのやり場がない。


 社長は、「鉢花から水が漏れるのは、花屋さん自身が一番よくわかっているはずなのに、荷主の運送会社もそこに問題を持っていけない。積み込みしたセンターの問題ともならず、結局、ウチが被るしかなかった」と話す。また、「段ボールの質が悪くなっている、弱くなっているのは明白だ」とも。


 同様に幹線輸送を担う別の運送会社でも同じような事故があったという。しかし責任の所在を明確化することに関して社長は、半ばあきらめ顔で話す。「トラック荷台内部でどのように水が漏れるのかを、仮にカメラで撮影できたとしても、ウチの責任にしてその場をしのぎたい荷主にその証拠を提示できるか。『損して得取れ』の姿勢でないとやってはいけない」。



(13/10/18)
<記事提供:物流ウィークリー



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