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配車担当の確保に苦慮 若者の上昇志向欠如

 「昇進のつもりでドライバーを配車係にしたら、9割が辞めてしまった」「手塩に掛けて育てた配車マンが、ある日突然、他社へ...」。運行管理者と兼任する場合の多い配車担当者だが、運行管理者試験の難易度は年々高まり、人材確保に苦慮している事業者も少なくない。


 「今は別枠で採用して配車係に据えている」というA社長(埼玉県久喜市)。その裏には「ドライバーから配車に引き上げたら9割が辞めてしまった」という苦い経験があった。B社(さいたま市岩槻区)でも「事務職で募集をかけ、一から教えた。運行管理者資格も会社で取らせた」という。ドライバーとは別に採用することで、「辞める」という問題は解決したという。


 一方、「ドライバー上がりでない配車マンは、ドライバーの信頼を得られない」と指摘するのは、現役配車マンのC氏(埼玉県三郷市)だ。「システム化が進んでいてオペレーター的にやるならいいが、一般的には現場を知らないと難しい」とし、「資格取得の難しさに加え、法的に罰せられる立場に立たされることから、なり手はあまりいないのが現状」と話す。


 さらに配車係の定着を阻むのが、「同僚ドライバーの存在」だという。ドライバーから配車マンになったD氏(さいたま市岩槻区)は、「前任者が抜けていきなり配車担当に。最初は荷主には怒られる、ドライバーにも責められるで陰で泣いていた」と言い、「10人ほどいた同僚ドライバーは1年で全員辞めた。配車マンが変わると、ついていけないドライバーは多いと思う」と話す。E氏(同西区)も、「ドライバーにとって運行管理者は敵。まして今まで同等と思っていた者からの指図なんて受けたくない。信頼されるまではイジメられるだろうね」と話し、「自分が配車担当になってから、大型のドライバー7人が辞めた。10年経つと全員が自分が採用したドライバーになり、やりやすくなった」と振り返る。前出のB社社長も、「ドライバーから配車担当になると、他のドライバーを納得させるのが大変」と指摘。


 そんな荒波を乗り越えベテランとなった彼ら。新米の頃は「先輩の下で2年ほど配車を経験した。2、3年は会社の雰囲気を見ながら補助的なポジションで配車をしていた」など時間をかけて、徐々に権限を委譲した場合、こぞってドライバーが辞めることもない。また、ドライバーのほとんどが辞めたというC氏やD氏の事例では、どんなにドライバーが辞めても「お前のやり方でやってみろ」と、社長が後押し、あるいは静観していた。荷主とドライバーの板挟みになっているとき、「社長が責めないことも重要」という。


 現場を知るドライバーを配車担当者に据えるのが理想だ。そのためには、「社長の理解」や「人材の見極め」が重要だというが、さらに状況を難しくするのが若者の〝平社員志向〟だ。「20万なら20万円なりの生活で満足するのが今の若者。それ以上を出しても一瞬は喜ぶが、すぐに慣れてしまう」というF社長(埼玉県戸田市)。「昔はがむしゃらに働いて、いい車に乗りたい、いい暮らしがしたいという若手ばかりだったが、今はガッツがない」と、若者の上昇志向の欠如を危惧する声が現場に広がっている。



(13/10/11)
<記事提供:物流ウィークリー



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